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特集 2009年02月

甦った幻の黒大豆「黒千石」

日時: 2009年02月09日 16:43 | コメント (0) | トラックバック (0)


北海道の農業を復興させたい

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 北海道の西部にある北竜町は、ひまわり畑で知られています。しかし休耕地が増え、農業は衰退する一方でした。元道議会議員で地元農家の村井宣夫さんは、「米でも何でも売れりゃいいという方針が日本の農業をダメにした」と語ります。
 村井さんは、消費者が本当に欲しいものを、北海道産の品種の良いものを作って、北海道の農業を復興させたいと考えていました。「何よりも生産者の我々が誇りを持てる作物を育てたい」というのが村井さんの思いでした。
 ちょうどその頃の2001年、たまたま出合った地元の農業研究家、田中淳さんが幻の黒大豆と呼ばれる「黒千石」の原種を持っていたことがわかります。

こうして黒千石は甦った

 黒千石は、かつてこの地で作られ、頑強な軍馬に食べさせると馬力が出るといわれ、飼料にもされていた栄養価の高い黒大豆。しかし、普通の大豆と比べ、日照時間が長くないと育たないことから、手間がかかる黒千石の栽培は70年代以降はすっかり途絶え、幻の黒大豆と呼ばれるようになっていました。
 「黒千石で北海道農業を復興したい」。村井さんは北竜町近郊で黒千石の栽培に協力してくれる人を求めて農地確保に奔走しました。折しも「町 農業再生プラン」を検討していた乙部町が、その思いに共感し、寺島光一朗町長のリーダーシップの下で、持続可能な生産・販売システムを導入して黒千石の栽培に参加しました。こうして黒千石は甦ったのです。

可能性を秘めた黒千石

 小粒で光沢のある黒い皮に包まれ、中身はきれいな緑色。ほのかな甘みと風味があって、食べるとおいしい黒千石。調べてみると、機能性成分であるポリフェノール含有量は、豆類の中では最も多い小豆が100gあたり0.4~0.6gであるのに対して、その約2倍の1.3gもあります。一般的な大豆と比べると、タンパク質は若干少なめ、資質は多く、ナトリウムが国産大豆の5倍近くある。だから食べるとおいしい。また、有害な活性酸素を除去する働きである抗酸化力を評価してみると、一般的な大豆より5~6倍も高いことが判明しました。(DPPH消去活性法で評価)これはカテキンを含む緑茶より高い抗酸化力です。また、北海道大学遺伝子病制御研究所などの研究によると、ガンへの免疫力を高める「インターフェロンγ」を生み出すよう促す成分が、黒千石に含まれることが動物実験で明らかになり、更なる研究が続いています。

思いが共感を生む

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 村井さんらの黒千石復活への思いには次第に協力者が増え、道内の水産業者が経営多角化のために黒千石を買い取るなど、流通や加工業者も加わって、「農商工連携」ができあがりました。すでに黒千石を使って納豆、黄な粉、豆茶などを作る地場産業が育ち始めています。
 こうして、道内各地の農家で黒千石への関心が高まり、事業運営母体として黒千石事業協同組合が2007年に設立されました。2009年2月現在、道内9地区の生産組合から生産者約110名が、北海道の悠久の大地と水、寒暖の差が大きな気候の中で、減農薬・減肥・有機肥料の採用で安心・安全な栽培に取り組んでいます。
 高級黒豆である丹波産黒豆の2400トン/年と比較して、黒千石の生産量はわずか350トン/年。その分、希少価値があります。
 50代ならまだ若いといわれる協力農家が多いものの、思いを共有する彼らは皆元気。これからもっと、世の中の人に黒千石を知って欲しい、食べて欲しい、と村井さんたちの夢は広がっています。今ではこの動きに行政から助成金が出ています。黒千石の作付けは徐々に拡大していて、一面のひまわり畑で有名な北竜町にも、6月ごろには黒千石の淡い白い花が咲くことになる。
 幻の黒大豆の復活には、「町おこしをして、皆を元気にしたい」村井さんらの熱い思いがありました。

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