見た。わお。すごい! Cirque du Soleil
日時: 2008年09月24日 22:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
「不可能とは単語にすぎない」
今、最も元気なエンターテイメント集団、それがシルク・ドゥ・ソレイユです。10月1日にグランドオープンする日本初の常設ショー「ZED」のプレビュー公演を見て、その意を新たにしました。
なぜショーを見た人が感動せずにいられないのか、すべては創業者ギー・ラリベルテの言葉「不可能とは単語にすぎない」に始まりました。「夢を抱き、創り出せば、何事もかなう」という哲学です。だからこそ、不可能を可能とし、誰もが感動するショーを創り出しているのでしょう。
「この考えはすべての社員4000人に浸透しています」とジェリー・ナダル上級副社長(世界常設ショー担当)は説明します。「変わることができる能力、これがこの会社のあり方です。誰であろうと、この流れに逆らえません。我々は常に変化しているし、創業者も『過去の経験に留まることは許されない』と強調しています。常にこれからの変化に自分が対応し、イノベーティブであるばかりでなく、自分がその変化にふさわしくあり続けることが求められています。創業以来、常に自分たちで創り直し、サーカスと違ったものになれるか、変わり続けてきました」
ショーは全てがチームワーク
ショーは全てがチームワーク。シルク・ドゥ・ソレイユにとって「チームワーク」は極めて大きな意味を持ちます。このショーには200人以上が関わっています。舞台でパフォーマンスを披露するアーチストが70人、裏方のテクニシャンが65人、25-30人がサポート役。理学療法士、マッサージ師、コーチ、ステージマネージャー、業務、人事など。その一人が欠けてもショーは成り立ちません。「このビジネスはチームワークそのものなのです」(ナダルさん)。
アーチストは元体操選手が多く、それまで個人技を磨いてばかりでした。しかし、シルク・ドゥ・ソレイユに入ってからは6カ月から9ヶ月、モントリオールで研修を通じ、演技やダンスのほかにチームワークを学び、個人主義を徹底的に排除します。その結果、考え方も大きく変わります。 個人のパフォーマンスが他の皆のパフォーマンスに影響することを知る。個人でやるのではなく、他人に依存しなければならないことを学ぶのです。これがチャレンジでもあります。
一人では生きていけない。この考え方は、ナダルさんらマネージャー層にも通じています。「自分の価値は自分の周りにいる人で決まる」と思っています。ここでも一人の仕事ではなく、チーム力です。
誰もが会社に貢献できる
社是(哲学)の一つは「スターはいらない」。ショーの出演者でも、業務でも、全ての社員が何らかの貢献を求められています。全てはチームワーク。部長でも用務員でも、社員は皆、平等の尊敬を持って扱われます。インフォーマルで気軽な雰囲気の中で、誰もが発言することを歓迎しているのです。
「誰もが会社に貢献できると考えています。これは大切なことです。これほど社員に忠誠心があり、自分の会社だと社員が感じている会社を私は知りません。皆、つながっていると感じているんです」(ナダルさん)。
会社への貢献を後押ししているのが、毎年開かれる社員コンペ、“Talons Hauts Bursary(奨学金)”です。誰でも経営に関する提案やショーに関するアイデアなどを提言でき、毎年200-300件の応募が集まります。審査員団がイノベーション度、クリエイティブ度などの基準でトップ5を選び、1位には賞金1万ドルが授与されます。
最近の例では、マカオでオープンするショー”ZAIA”の中で、シーソーを使うシーンが出てきますが、板を1枚ではなくX字に2枚にしてブレーキ機能をつけているのは、このコンペによる提案からでした。しかも道具を扱う開発部門・技術部門とは違う、マーケティング部門の社員が提案したもので、より安全にするために思いついたものでした。このようにどの部署からでも提案は採用され、賞金が出るのです。
社員は「やりたいことをやる」
シルク・ドゥ・ソレイユを支えるもう一つのキーワードが自己成長です。社員は「やりたいことをやるように」奨励されています。自分がチャレンジしたいことを発言するよう、毎年全社員に求めています。常に一カ所の職場に留まることはありません。社内のどこにでも世界中動き回って、社員が成長できるよう後押ししているのです。たとえそれまでの経験領域と違ってもです。そのための訓練プログラムや研修を用意してあり、必要に応じて外部から講師も招きます。このように才能を確保して、社員の関心を伸ばし続ける努力をしているのです。退社してしまえば、人財を失うことになるからです。
また、ローテーションで、オフのときに観客席から自分たちのショーを見られるようにしています。お客様に提供するものを自ら体感することで、自分たちがいかに感動をお客様に与えているか、常に意識できるようにするためです。
このようにシルク・ドゥ・ソレイユは、社員のモチベーションを高めることに努力しています。そのために社内コミュニケーションも大変重要視しています。他の社員が何をしているか知って励まされたり、世界中で頑張っていることに動かされたりするからです。社内コミュニケーションはそういう役割も担っています。
社員から愛される会社
変化、チームワーク、会社への貢献、自己成長。元気な会社には共通した良いところが見られます。CSRも同様です。シルク・ドゥ・ソレイユの創業者は大道芸人出身であることもあって、収入の1%を路上に住む孤児救済に充てています。また世界中でクリーンな飲料水提供にも寄付しています。利益をコミュニティーに還元する、そういう姿勢が共感を生み、社員から愛される会社になるのでしょう。
